木漏れ日を掴まえる少女

数人で一つの作品を書き上げたら楽しいのではないか、
と思いつき、実現したリレー小説です。

ルールは一人1000文字程度としました。

自分だけなら思いつかないような設定、展開、
書き手の皆様がそれぞれ個性を持った実力者であり、
楽しかったし、とても勉強になりました。

参加頂いた皆様、ありがとうございました。

第1話(yuki様著)

「木漏れ日の捕まえ方、知ってる?」

木々がざわめく夏の森。

白いワンピースを着た少女は年下の僕に視線の高さを合わせて体全体で微笑んだ。

こうやってね、と言ってちょっとおどけた仕草でおとがいを持ち上げ、左手を目の上に添えて、指と指の間からみどりの天井を覗き込むようにして――

「明宏にぃちゃん、何やってんの?」

指の隙間から見えていた縁側の古びた天井は、クリーム色のタンクトップにその姿を遮られた。にへら~、と寝っ転がっている俺に笑顔を降らすのは、今年四年生になる従弟の邦彦だ。

「おまえさ」俺はゆっくりと起き上がる。「木漏れ日の捕まえ方って知ってる?」

「なにそれ、捕まえられるもんなの?」

デニムの短パンからドロップ缶を取り出すと、食べる? とこっちに差し出した。

「昔さ、そう言ったヤツがいたんだよ」

「にぃちゃんの彼女?」

「俺がお前くらいの年だったころの話だよ」

一個貰う。赤い粒だった。

「あー、それ、ワンピースの女の人」

「何で知ってる?」

邦彦は怯えた眼差しで見上げた。俺が詰問するような声をあげてしまったからだろう。だがすぐまた元通りの笑顔に戻ると、

「えへへ、にぃちゃん、その女の人に恋しちゃったんだ」

「ばーか。中学生になるかならないかって、そんな年の子だったよ」

「ば、ばかはひどいな……」

モゴモゴと不機嫌そうに目をそらす。コイツは体育以外からきしだから、きっと叔父さんにそう言われ続けてトラウマになってるんだろう。難しい年頃だ。

大きくなったら勉強なんてどうでも良くなるんだけどな――大きくなったら、か。

「お前が知ってるその女の人、いくつくらいだって?」

「んー、やっぱり中学生くらいかなぁ」邦彦はざらざらとドロップを3つか4つ口に放り込む。さっきモゴモゴしたのもドロップ含んでたからか?「僕たちよりは年上って感じだけど、先生の話だと『女の子』だった」

「ワンピースを着た変なお姉さんがうろついてるから気をつけなさいって?」

「そうそう。よくわかるねー」

口裂け女みたいなもの、か。

「じゃ、お兄ちゃんはちょっとそいつを捕まえに行ってくるよ」

「おぉー、にぃちゃんかっこいい」2,3度、お義理っぽい拍手をすると邦彦は急に俺に抱きついてきた。

「ねぇー、僕も行っていいでしょ-」

「危ないだろ」

「お兄ちゃんが守ってくれるんじゃないの?」拗ねたような、変に甘ったるい声を出してきやがった。

「僕を捨てて、別の女の子のところに行っちゃうの?」

すりすりー、頬を脇腹にこすりつけて来る。ごろにゃーご。

これはこれで可愛いと言えなくもない、のではあるが。

「よだれを服につけるな! 連れて行くから」

こうして俺と、この小さいのとで、白いワンピースの少女を捜しに行くことになった。

おっと、ドロップも食べておかないとな。ずっと握ってたからちょっとベタつくけど。

この作品の著作権はyuki様にあります。無断転載は禁止です。

第2話(クロトン様著)

「で、にぃちゃん、どこから探すの?」

「森だよ」

手をつないで隣を歩く邦彦からの問いを、一言で答える。

「森って、にぃちゃんがワンピースの女の人と会ったとこ?」

「ああ、一通り女の人を見たっていう人の話を聞きまわったらな、森の中か、森の付近で見たという証言が大半だったんだ」

「おおー、にぃちゃんすごい」

てくてくと歩道を歩いていく。すれ違うおじさんやおばさんに挨拶を交わし、もらった桃をかじっていると、だんだん周りに見える家が少なくなっていく。

「わあ、僕森に入るの初めてだよ。女の人の噂もあって、大人の人に行くなってうるさいんだもんなー」

「手、離すなよ。迷ったら大変だからな」

「うんっ」

森に足を踏み入れると、空気が一変する。ほんの数メートルしか進んでいないはずなのに、まるで別の場所に迷い込んでしまったかのように。

「……にぃちゃん」

不安げに邦彦がつぶやき、手を握る力をぎゅっと強める。

「大丈夫。手、繋いでれば絶対迷わないからな」

「うん」

普通の人にとってはなんてことのない森でも、初めて訪れる子供にとっては別世界だ。

人も、家も、道も、普段あるものがないだけでこんなにも世界は変わる。

あるのは土にしっかりと根をはり、我先にと空に大きく伸びる木々と、広がる葉。それと、陽の光が木々と葉の合間から降り注ぐ――。

「にぃちゃん?」

俺は不意に足を止め、空を見上げる。無数の葉の合間から覗ける空がキラキラと光り、俺たちを照らす。

少しだけ開いた左手を目の上に添え、視界を指で遮る。すると、限定された視界の中に、木漏れ日だけが差し込むように見える。

「わあ! にぃちゃん、すごーい!」

邦彦から喜びの声があがる。どうやら、俺の真似をして空を見上げたようだ。

「木漏れ日の捕まえ方って、こういうことだったんだね!」

無邪気に喜ぶ邦彦に、当時の自分が重なる。

彼女から見た当時の『僕』も、こんな感じだったんだろうか?

「ふふ、元気な子ね。さっきまで怖がってたのが嘘みたい」

突如耳に届く、懐かしい声。

はっとして振り向くと、そこにはあの時と変わらない、白いワンピースを来た彼女が立っていた。

「素敵でしょ? 森ってね、ちょっとしたことでいろんな顔を見せてくれるの」

彼女は柔らかい笑顔を浮かべ、ゆっくりと歩いてくる。

一歩近づいてくるごとに、あの頃の思い出が蘇ってくる。親の言いつけを破って森に遊びにきて、彼女と遊んでいた日々を……。

手を伸ばせば届くぐらいまで近づいてきた所で、彼女は足を止める。

彼女は変わらない。立ったままでも合う視線の高さだけが、俺が成長したことを物語っていた。

笑顔のままで立つ彼女に、俺は少しだけ迷った後、結局こう言った。

「……久しぶり」

この作品の著作権はクロトン様にあります。無断転載は禁止です。

第3話(私が書きました)

そのまま俺はしばらく彼女の顔を見つめていた。透けるように白い肌、わずかに色づいた頬、紅い唇……、そうだ、思い出した、あの頃も思ってたんだ。まだ幼ささえ残る顔立ちに、そこだけ大人びたような紅い唇が不釣合いだなあって。口紅を塗っているのでもなさそうなのに、不自然なほど紅く濡れた唇。

「なにをじっと見ているの?」

笑うと同時に、紅い唇が左右に大きく伸びた。

「変わってないなって思って」

呟くように返した。

「あなたは成長したわね」

俺の身長が伸びたことを表すように、左手を下から上に動かした。指がきらきらと光っていた。

「ああ、これ」

俺の視線に気付いて、彼女が自分の左手を見つめる。

「木漏れ日を捕まえすぎたの」

「木漏れ日を捕まえすぎたぁ?」

突然、邦彦が素っ頓狂な声をあげた。ああ、すっかり忘れていた、こいつも一緒にいたんだっけ。

「それってまずいの?」

続けて無邪気な口調で邦彦が質問する。

「そうね、まずいかも。このままだと私、木漏れ日に吸い込まれて同化してしまう」

「ど、どうか?」

国語の成績がイマイチな邦彦が、うろたえて俺を見上げた。

「つまり、彼女も木漏れ日になっちゃうってことだよ」

えらそうな兄貴口調で説明しながら、奇妙な感覚に包まれた。だって、捕まえすぎたから同化するって、なんなんだよ。

「助けに来てくれたのかしら」

甘えた声音だった。助ける? どうやって? 内心動揺したが、『別に助けにきたわけじゃない』とも言いづらくて黙っていた。その沈黙を彼女は肯定と受け止めたようだった。

「そうよね、あんなに一緒に遊んだ仲だものね。あの頃のこと、ちゃんと覚えてる?」

あらためて訊かれて気付いた。そういえば、細かくは覚えていない。彼女と森の中で一体なにをして遊んでいたのか。思い出せるのは煌く陽光と、不思議な彼女の存在だけだ。

彼女は踊るようにターンしたかと思うと、俺たちに背を向けて、弾む足取りで歩いていった。

その後姿が“ついてきて”と誘っているようで、俺は邦彦の手を握ったまま彼女の後に続いた。

足元がふわふわしている。地面の感触が伝わってこない。夢じゃなくて、これは現実のはずなのに。

頭の中に彼女の言葉が飛び込んできた。声にはなっていない、響きを感じた。

『さっき、赤いドロップを選んだでしょ? それは正解』

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第4話(雪蛙様著)

「? どういう意味だ?」

おぼつかない足取りで彼女の後を追う。優雅にステップを踏む彼女の足取りは確かで道なき道を進んでいく。

「ほら、しっかりついてきてね」

俺の質問には答えず満面の笑みを浮かべた彼女は迷いなく森の奥へ奥へと進んでいく。小柄な彼女よりも高い茂みや太い幹に姿を見失いそうになるが必死について行く。別についていく義理もないはずなのに、そうしなければならないと思う自分がいた。

彼女は楽しそうに、時々こちらを伺いながら、たまにかくれんぼをするように姿を隠しながら歩いていく。彼女が捕まえてもまだ絶え間なく降り注ぐ木漏れ日が視界を明滅とさせる。

彼女が話さなければこちらも話すことがない。だから今俺たちの間に会話はない。でもそれは全然不快でも気まずくもなく、そういえばいつも彼女の方から話し出してこちらは受け答えばかりしていたことをぼんやりと思い出した。尋ねたいことならいくらでも――本当は何をしているのかとか、どこの子なのかとか、どうして当時と変わらない姿でいるのかとか――ありそうなものなのに。

「ほら、もうすぐ着くよ。そろそろ思い出してくれたかな?」

木々の向こうに空が見えた。森が終わる手前で彼女は口を開いた。どれくらい歩いたか、時間も距離感も曖昧だった。

「え?」

彼女が立つその場所から眼下に紅い絨毯が敷き詰められていた。目を凝らせばそれは野イチゴの群生であり瑞々しく生ったそれらが緩やかな風に乗って鼻腔をくすぐった。

「あなたとよく食べ比べをした野イチゴだよ?」

木漏れ日を捕まえてまわり疲れたらここで野イチゴを摘んで食べたことを思い出す。口の中で転がしていたドロップはもう溶けてなくなっていたがかすかに残った甘味があの頃の情景を運んでくる。

「あぁ、思い出したよ。そっかこんなに生っていたんだ」

『僕』から俺になってもそこは広かった。一度全ての野イチゴを食べ尽くしてやろうなんて馬鹿なことをしたことを思い出し苦笑が浮かんだ。世界が広いだなんて知らなくて自分の足でどこまでも行けると思ってたそんな自分がおかしかった。

「ね? だから正解だって言ったでしょ? あなたを今ここに導いたのはあの赤いドロップなんだから」

「いやいや、案内してくれたのは……あんた、だろ?」

ついと、彼女から目を逸らしてしまう。『あんた』なんて乱暴な、汚い言い方のような気がして彼女の方を真っ直ぐ見られなかった。昔のように無邪気に『お姉ちゃん』と呼ぶのは気恥ずかしすぎる。

「そんなことないよ。君がここを選んで私をここに連れてきてくれたの。私はなーんにもしてないよ」

俺のそんな懊悩に気づいた風もなく彼女はニコニコと答えた。ここに連れてきてくれたのは彼女なのに不思議な物言いだった。

「えっと、ね? それはそれとして、私もうっかりしてたんだけど」

口をへの字に曲げ困り顔で彼女が俺の後方に目をやった。釣られるように振り向いたがそこには生い茂った木々があるばかりだ。……そう、本当にそれだけしかなかった。

「君の、弟、くん? いないよ?」

この作品の著作権は雪蛙様にあります。無断転載は禁止です。

第5話(くろG様著)

「そうだな」

「あれ? おどろかないの?」

「ああ」

俺の言葉に彼女は一瞬表情を消し、そしてとても困ったような寂しそうな顔をする。

「気づいて……たの?」

「邦彦のことなら気づいてはいなかったよ。ただ、あんたが……いや、俺がどうしてこの場所に来たのかって事だ」

そんな返答に彼女はますます困った顔をする。いや、彼女が普通の人間じゃないというのは確かだ。ただ、それは今俺にとっては重要な事じゃなかった。邦彦のことも……もしかしたら迷子で半べそぐらいかいてるかも知れないが……重要じゃない。なぜならそれは彼女あるいは俺が望んだことだからだ。

「分かったのは着いた場所がここだったからだよ」

彼女は俺と二人っきりになりたかったのだ。昔の俺達だけの思い出の場所で。いや、俺も心のどこかでそう望んでたろうと思う。

「昔はあんな険しい道なんか通らなかったからな」

「そっか、案外あなたって記憶力良いんだね」

目の前の彼女は少し嬉しそうに笑う。あのころのままに。

「残念ながらそのことに今気付いたよ」

今、僕、の表情はどんなのだろう。笑えていればいいと思う。あのころのように。

「会いたかったよ」

そう言いながら彼女の横を通り過ぎる。そういえば匂いと記憶は一番深く繋がっているなんて話があったな。いつの間にか野イチゴの匂いは焼け付くように僕を支配していた。

「私もずっと会いたかったよ」

歩いて行くとほんの少しだけ野イチゴが無い場所があった。その代わりにあるのは………白い陶器の人形。遠いあの日に木漏れ日の捕まえ方を教えてくれた仕草のままで。

「指が欠けてるな」

「うん、木漏れ日にもってかれちゃった」

その少し痛々しい小さな小さな手に触れてみる。

「きゃっ」

彼女がかわいらしい声をあげる。

「もう、いきなり触れられるとびっくりするよ」

振り返ると動いてる方の彼女が少し顔を赤くしていた。ああ、感覚は繋がってるのかなんて事を知る。この彼女に触れるのは今日が初めてだった。数年前最後にここに来た日に僕はこの人形を見つけそれからはここには来なかったのだから。

「ごめんごめん」

軽い感じで謝る。でも本当は1度目のごめんは今のこと。2度目のごめんは過去のこと。

「それで助けて欲しい事ってこの指のこと?」

「あれ?本当に助けてくれるつもりだったの?」

ちょっと意外そうに言う。きっと僕がまだ色々な事を過去にしまったままだと思っているんだろう。

「昔、なにかあったら『僕』が助けるって言っただろ」

「うん、そうだったね」

『あの頃のこと、ちゃんと覚えてる?』彼女はさっきそう言った。そう、これが彼女の望んでいた答えだったのだ。

「でも私が助けて欲しい事ってこのことじゃないんだ」

この作品の著作権はくろG様にあります。無断転載は禁止です。

第6話(復路鵜様著)

がさがさ、ごぞごぞ、じゃくじゃく、ごうごう。音で満ちた森を通り抜ける。木々の隙間を超えて、突き出た木の根を超えて、奥へ奥へ。

やがて俺の目に、目的のものが見えてきた。森のずっと奥にある巨木、山みたいに見えなくもないその麓に、それは落ちていた。躊躇わず拾い上げると汚れを手で少し落とし、来た道を戻る。

道でない道を歩きながら、過去の机に閉まっていた記憶が、次々取り出されて行くのを噛みしめる。少女と食べた野いちご、歩きまわった野原、交わした取留めもなく、楽しくかった話。

そして木漏れ日の捕まえ方。しんみりしてきたので、早足になった。木々の光がオレンジ色に変化していくのを、歩きながらなんとなく眺めていた。

「ありがとう」陶器の彼女は野いちご畑の端、大きな木の下で待っていた。ワンピースが穏やかに揺れる。その横には邦彦が恨めしそうな目でこっちを見ている。危ないと思った彼女が呼んだのか、自力で脱出したのか。

なぜだか、それを見て少し胸が痛くなった。

「助けて欲しかったのはこのぬいぐるみか?」置いてくなんてひどいよバカバカ、と言いながら俺を叩く邦彦に構わず、聞く。

「うん。私と同じ……誰かが捨てたんだと思う。だけど私と違って、この子は森のずっと奥に放り出された。だからずっと一人で泣いてた。私はあそこまで行けないから、誰かに頼むしかなくて。本当にありがとう」かたっぽの目がない熊のぬいぐるみを俺から受け取ると、彼女は嬉しそうに頬ずりした。その仕草は本当に年頃の女の子だ。

「変わってないな、あんたは。今も昔も」

「ええ。でもあなたは大きくなったし、それにその子……ふふ、昔のあなたにちょっと似てる。弟くんよね?」

「悪いが従弟だ。こんなのに似てるなんて心外だな」

それを聞いた邦彦が「なんだとー!」と怒りを顕にしてパンチパンチキック。おい、足やめろ足。本気で痛い。

俺と邦彦を見比べた彼女が顔の表情を緩めた。赤い唇がゆっくり弧を描いて、なぜだか知らないが心の中が熱くなる。

「兄ちゃん、顔赤くない?」邦彦が訳の分からないことを言ったので、俺はすかさず頭を叩いた。

「いったー! もー、頭悪くなったらどうすんのさ! にぃちゃんひどい!」

「うるさい。…………ところで、そろそろ帰ろうと思う。日が暮れたら出るの面倒になるし、

両親に心配かけたくないしな。えーと、その…………また、ここ、来てもいいか?」

「ふふ、あなたがそうしたいなら……でも、もう人間の姿は取らないと思う。人が噂してるみたいだし、静かな方がいいから」それにこの子もいるから寂しくないしね、とぬいぐるみを撫でる。「今度はこの子に、木漏れ日の掴まえ方、教えなきゃ」

「そんなん教えなくても自力でどうにかすると思うけどな」

「あら、あなたは教えないと分からなかったわよ? 一人でやってみて、って言ったらできなくて最後にはイジけちゃったし。機嫌直すの苦労したわ。野いちご十個分」

「……帰る」邦彦の手を引こうとした途端、待って、と彼女が言った。

「そろそろ時間ね。上、見てみて」

上? と俺たちは揃って首を上げて、その眩しさに目が震えた。

そこには木々が作り上げた穴だらけのドームの天井が広がっていて。

無数の葉と葉の合間から、天井の隙間と隙間から光が降っていて。

金と銀と白金を混ぜあわせた、月のような神秘的なものが、ずっと昔に人形の少女が教えてくれた、最高の景色が目の前にあって。

思わず僕は、指で光を閉じ込めて、その眩しさに一粒涙を流していた。

それを邦彦に見られなくて良かったと思う。

この作品の著作権は復路鵜様にあります。無断転載は禁止です。

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